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住宅内のコロナ感染対策に換気はどれほど有効か?

2020.12.04家づくりのヒント

新型コロナ感染第3波が押し寄せている

コロナ感染は現在第3波が押し寄せている

第3波と言われる新型コロナウイルスの感染拡大が全国規模で広がり、なかでも北海道は連日感染者数が200人を超え、10万人あたりの感染者数は30人前後と全国最悪レベルです。「換気が重要」と言われるようになり、これから家を建てる人は住宅の換気について気になる人が多いと思います。

真冬の北海道で窓を開けて換気するのはツライものがある

しかし、真冬日が続く冬の北海道では、積極的に換気をするために窓を開けることは現実的な話ではありません。たとえば旅客機の中では1時間あたり20回というものすごい量の換気を行っていますが、住宅は法律上1時間あたり0.5回で十分ですし、それでシックハウス症候群などの問題も解消できることがわかっています。

家族が集まる時は換気の量を増やすこと

北海道大学大学院工学研究院の林基哉教授によると、感染防止のため必要な換気量について、厚生労働省では機械換気で1人あたり30m3/時、窓開け換気の場合は換気回数2回/時以上(30分に1回以上、数分間程度、窓を全開する)としていますが、確実に感染が防げることを裏付けるデータは今のところないということです。それでも、感染リスクを減らすことは確かだと思います。

すでに外気温が下がっている北海道の冬に、寒さや雪の吹き込みを我慢して窓を開けるのは、けっこう無茶ですよね。天候や室温とのバランスを考えながら無理のない範囲で行うのがいいと思います。

住宅の場合、家族がそろう食事の時間や来客時など感染リスクが高くなる時と、そうでない時があります。そこで、ふだんの生活ではセントラル換気システムを24時間運転して0.5回/時の換気量を確保することで十分。感染リスクが高い時に窓を開けるなどして換気量を増やす、というのがコロナ予防の基本的な考え方です。

では窓を開けずに、一時的に換気量を増やす方法はあるのでしょうか?ひとつには、1.0回/時の換気能力を持つ高性能なセントラル換気を採用する方法があります。一般的には住宅の床面積はだいたい40坪(132m2)以下になると思いますので、1.0回/時以上の能力がある換気システムは、カタログや商品情報サイトに書いてある対応する住宅面積が80坪以上あるハイパワーな製品を選べば良いことになります。

CO2濃度の上昇で自動運転するレンジフード

 

最近では、CO2濃度の上昇に応じて自動運転するレンジフードも発売されました。これなら、食事時に密になりやすいダイニング回りの空気汚染状況を自動的に感知して動くので安心です。

(株)キムラ(本社札幌市)が発売するダクトレス熱交換換気「エアセーブ」

さらに、少し予算を足せばセントラル換気以外にリビングダイニングに“局所換気”を設置する方法があります。「3密回避型換気」とでも名づけていいかもしれません。たとえば、一定時間ごとに給気と排気が切り替わる熱交換型換気設備、俗に言われるダクトレス換気でしょう。換気量を増やしても、熱交換換気の機能の1つである室温低下を抑える効果が期待できるので、寒い北海道の冬に我慢を強いられる心配が減ります。

隔離室は個別換気

さて、感染者の急増により、札幌では感染がわかっても自宅待機せざるを得ない人が増えました。自宅待機の場合の配慮は何ができるのでしょうか。林教授によると、次のようになります。

住宅の中に1人感染者がいると、家族全員が感染してしまう恐れがあります。

そこで、感染者、または濃厚接触者が住宅にいる場合は、強制排気設備のある個室で過ごしてもらうことになります。強制排気設備がない場合は、浴室・トイレ用の換気装置を取り付けて室内を陰圧(圧力を他の部屋よりも低くすること)にし、換気を常時運転するというものです。

このほか、乾燥した環境で感染リスクが高まると言われていますが、数値的な確かな根拠はないようです。高湿度での感染例も多いからです。インフルエンザ予防の観点を考えると、当面は湿度40%以上を維持するのが無難ということになります。

北海道SHS会は、高断熱・高気密の技術と全室暖房、24時間換気をセットで導入し、会員はこれまで質の高い家づくりを30年数年続けています。これから家づくりを検討される方は、お近くの北海道SHS会会員工務店にお気軽にご相談ください。