株式会社 re-ate (リエイト)/札幌市西区
社員が大工だけ。札幌の異色工務店。大工を育て、地位向上も
(株)re-ateは2008年札幌市西区に創業。お客様との打ち合わせに時間をかけ、7名の社員と社長がすべて大工出身という異色の工務店です。さらに職業訓練指導員免許やものづくりマイスターなど大工育成にかかわる資格を持つ社員が在籍。大工を育て、独立させることにも力を入れています。山田竜平社長に話を聞きました。
大工だけの工務店とは!?
re-ateの特徴は、社長を含む社員全員が大工経験者というところ。山田社長は、「家づくりのことを現場レベルでよく理解しているのは大工。たとえ営業でも、大工出身の方が良い」と言います。
家づくりの現場では、基礎工事、左官工事、外壁工事、電気工事、設備工事など、工事の種類によってさまざまな職人が出入りしますが、大工はその中でももっとも長く働き、家のことをよく知る職人です。住宅の構造や木の特性を良く知っており、お客様の「ここに棚がほしい」など、ちょっとした要望にその場で応えることもできます。
山田社長は、スーツをかっこよく着こなす安住アナウンサー似のイケメン。20年近い大工経験の後に今の会社を立ち上げました。今でも車には大工道具を積んでおり、注文住宅を建てたお客様のアフターフォロー時には、建具の調整など、ちょっとしたアフターサービス作業は自分でこなしてしまいます。お客様が「あれっ、社長がやっちゃうの!?」って顔をされることもあります。
営業や設計も大工出身者なので、大工として多くの注文住宅現場で施工した経験からどんな家をお客様が望んでいるかを知り、お客様の立場に立った提案ができるのもメリットです。
「デザインや間取りについて、お客様との打ち合わせにじっくり時間をかけています」と山田社長。事前の打ち合わせをじっくり行うことで、お客様が本当に望んでいるプランを作り込んでいきます。
大工を育てるため社員化し、独立も推奨
大工経験者だけで工務店を経営している重要な理由はもう一つ。それは、「大工を育て、大工になりたいという若者を増やすため」です。家づくりで大工は重要な位置を占めているのに、これまで育成はなかなか進んでいませんでした。そこで、山田社長は大工経験者が設計や営業など、家づくり全体にかかわる仕事ができる会社を作りたかったのです。
また大工は、会社に属さず自営業者としていろんな住宅会社の現場に入って仕事する“一人親方”ではなく、社員として雇用しています。一人親方は一見自由ですが、ガソリン代や工具代などはすべて自分持ち。ケガをしたときの補償も不十分で、冬場は仕事がほとんどないなど、収入は不安定です。そこで、re-ateでは大工を社員として月給制で雇用。雇用保険や社会保険などを会社が負担し、冬場も仕事を与えて一年中安定して働ける体制を作りました。
大工の中でも経験豊富な“棟梁”クラスになると、毎週開催する社内会議にも出席します。常に現場にいることで施工現場での問題点や改善要望を伝えるなど、現場の大工と会社経営をつなぐ役割として重要な存在です。
さらに、一定年数大工として経験を積めば、新たに会社を設立させ、独立することも推奨しています。既に数名を独立させました。独立後も協力関係を築き、助け合いながら仕事を進めています。
マンションリノベにも意欲
大工を育成できる会社を立ち上げたのは、それまで働いていた環境から大きな影響を受けています。山田さんは大工になるために職業訓練校で学びましたが、実習先として派遣されたのが、SHS工法に古くから取り組み、北海道SHS会会長も長年務めていた札幌市西区にある久末建設(現・久末弘信建設)でした。
久末建設では職業訓練校の学生を実習生として受け入れ、卒業後に大工として働かせていました。そして、大工の独立もサポートするなど、大工の育成、地位向上にも努めていました。山田さんもその一人として久末建設で大工として働いた後に独立したのです。
ですから、山田社長が大工育成に力を入れたいと考えたのも自然な流れでした。SHS工法を採用したのも、久末建設で長年大工として働いた経験から「断熱・気密が良く、施工の効率もよい優れた工法」だということを肌で感じていたからです。
現在、re-ateの売上げ構成は、新築とリフォームがほぼ半々という割合です。札幌ではリノベーションに適した中古マンションが増えているため、今後は中古マンションを取得して大規模なリノベーションをして販売するなど、新しい分野にもチャレンジしていこうとしています。
山田社長は、「札幌圏の新築住宅は『価格で勝負』という傾向が強いが、当社は大工の専門職集団という強みを生かし、しっかりと手間をかけて性能も使い勝手も良い住宅を建てていきたい」と話しています。
- 会社名
- 株式会社 re-ate (リエイト)/札幌市西区
- 代表
- 山田 竜平
- 住所
- 〒 002-8062
北海道 札幌市 西区西町北6丁目2-15 クレシェンド301
- 電話番号
- 011-215-5182
- FAX番号
- 011-215-5192
- 営業時間
- お問い合わせはこちら
- ホームページ
- http://www.re-ate.co.jp/
- 施工エリア
- 札幌圏