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スマホで窓や照明をコントロール!IoTが北海道の家づくりを変える!

2019.08.31家づくりのヒント

IoTという言葉を知っていますか?

「Internet Of Things」の略で、日本では「モノのインターネット化」とも言います。

家づくりもこのIoTで大きく変わるかもしれません。
最近は、家庭にある照明や給湯器、エアコン、テレビ、玄関ドアや宅配ボックスなどのIoT化が最近注目を浴びています。

どんなメリットがあり、これからどう変わるのでしょうか?

平日のある夜。
「残業で帰宅が遅くなってしまう。子どもが心配だわ」
そんな共働きの家庭・Aさんの家に住宅用IoTが導入されました。
すると、

子どもを見守ってくれる(LIXILホームページより)

「あ、子どもが塾から帰ってきてリビングで宿題やっている」という動画がAさんのスマホに送られてきました。

休日の朝。
Aさんの夫がAさん、子どもたちとお出かけします。
「パパ、まだ~」
と声が玄関から聞こえてきましたが、パパは慌てません。

ひと言かけるだけでスイッチオフ(LIXILホームページより)

スマートスピーカーに向かって
「行ってきます」と一声かけるだけ。

家じゅうの照明やエアコンなどを一斉にオフできます。
消し忘れもありません。

IoTホームリンク・ライフアシストのシステム図

こんな便利な生活シーンが実現できるのは、(株)LIXILが発売する『IoTホームリンク・ライフアシスト』。スマホやスマートスピーカーという身近な機器を使って家の中の機器をコントロールでき、ドア窓センサや人感センサ、温湿度センサなどと連動し、外出、夜間、在宅など生活シーンに応じて対応する設備機器の動作を自動化できます。

スマートフォンで外出先から玄関ドアの施錠や室内の様子の動画送信、エアコンのオン・オフ、浴槽のお湯張りも可能です。

標準的な初期導入費用として約40万円かかり、このほかにスマートスピーカーとの連携や各種センサーの利用料金として月額1980円(税別)が必要となりますが、一度この便利さを知ってしまうと元に戻れなくなるかもしれません。

生活シーンに応じて自動点灯(Youtubeより)

朝7時。「あっ、明かり点けなきゃ」。寝坊したBさんんは、慌てますが、ダイニングのペンダントライトは自動的に灯ります。
これは照明器具メーカー・コイズミ照明(株)の『TRee』(ツリー)。
同社の照明、約3000種類と連動させることが可能です。

たとえばキッチンにいて手が水に濡れている時、「リビングの照明、もったいないわ」と思ったら、スマートスピーカーに話しかけるだけで消すことができます。

話しかけるだけで照明を自動調節(コイズミ照明ホームページから)

また、お客様が来てこれからバースデイパーティーで盛り上がろうとするとき、「パーティーのシーン」とスマートスピーカーにコソッと話しかけると、ダイニングの照明がすうっと暗くなる-そんな演出も席を立たずにできます。

共働き世帯や高齢者世帯で採用が進みそう

IODATAが売り出した、要介護者やペットのIoT活用見守りカメラ

特に普及の芽があると見込まれているのは、共働き世帯や高齢者・要介護者がいる世帯です。共働き世帯では、子供が学校からちゃんと帰宅したか、室内で安全に過ごしているかどうかが心配になりますが、IoTシステムがあれば、玄関の開閉をセンサーが感知し、室内カメラで撮影した画像をメールで送信するなど、職場にいても子供が無事に帰宅したことがわかります。子供が玄関ドアを解錠するのと連動し、自動的にエアコンや照明を付けることもできます。

高齢者・要介護者がいる世帯では、家族が外出先からスマートフォンで室内の様子を確認できます。また、高齢者・要介護者はスマートスピーカーに話しかけるだけで暖房・給湯や家電・照明などを操作できるので、身体的負担や操作する手間の軽減につながります。

IoTシステムは防犯上でも効果的です。警察庁の統計資料によると、2017年の住宅侵入窃盗のうち47%は玄関・窓の無施錠が原因。IoTシステムを使うことでスマートフォンから玄関ドアが施錠されているかどうかを確認でき、もし鍵をかけ忘れていたとしても外出先から施錠することができます。

IoTシステムはまだ普及が始まったばかり。認知度が高まれば普及が期待できそうです。

住設建材メーカーのIoT対応の動き

HOME IoT(パナソニックホームページから)

住設建材メーカーのIoT関連設備・家電製品等も、新開発や機能強化が目につくようになってきています。

宅配ボックスに荷物が届くと自動お知らせ(パナソニックホームページから)

LIXILのほか、パナソニック(株)が昨年10月に住宅向けIoTシステム『HOME IoT』の中核機器・AiSEG2(アイセグ2)の機能を強化して発売開始しました。スマートスピーカーとの連携を可能にするとともに、使用機器数を13社26機器から20社33機器に拡大。業界初となる宅配ボックス用センサーや、前日の天気予報に基づいて太陽光発電から電気自動車への蓄電を制御する機能も加わりました。

YKK APの戸締まり確認システム

また、外出先から玄関ドアの施錠の確認・操作ができるシステムは、LIXILの『IoTホームリンク・ライフアシスト』以外に、YKK AP(株)が今年4月にサービス運用を開始した戸締まり安心システム『ミモット』があります。このシステムは窓や玄関ドアの施錠忘れをIoTで防ぐもので、自宅から一定距離離れた時に鍵を締め忘れている玄関ドア・窓の情報や、子供や家族による玄関ドアの解錠をスマートフォンに通知します。センサーは鍵の操作によって発電・通信を行う技術を利用しているので、電源や配線は不要です。

建材そのものにIoT機能を持たせる

さらに建材そのものにIoT機能を持たせた製品も出てきました。凸版印刷(株)が販売する『ロケーションフロア』と『ステルスヘルスメーター』です。

ステルスヘルスメーター

『ロケーションフロア』は、圧力センサーを組み込んで居住者がいる位置の検出を可能にした床材。高齢者等の見守りを主な用途として想定していますが、カメラを使わないのでプライバシーに配慮でき、居住者にストレスをかけることもありません。圧力センサーは踏まれると自己発電するため、特別な配線工事も不要。『ステルスヘルスメーター』は体組成計を埋め込んだ床材で、洗面所などの日常動線に設置すれば、手洗い時や歯磨き時に体重・体脂肪率などを継続して記録できます。いずれの製品もパソコンやスマートフォンなどに情報を転送して管理することが可能です。

家の中にデジタル機器が増え、独居高齢者も多くなっている中、さりげなく情報を管理・提供する建材が必要になってきています。デザイン性や機能性も備えたIoT機器の開発は今後加速しそうです。

総務省の平成30年版情報通信白書によると、2017年の全世帯に占めるスマートフォン保有率は75%。2010年の10%から大幅に増えており、インターネットの利用も60%がスマートフォンと、パソコンの53%を上回るようになりました。特に20、30代はスマートフォンの保有率が90%を超えており、インターネットの利用も約9割がスマートフォン。

20、30代はちょうど住宅の一次取得者層にもなりますが、スマートフォンとインターネットがもはや当たり前となっている世代だけに、IoTシステムが受け入れられる素地は十分にありそうです。