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SHS工法のZEH対応や断熱・気密施工の実際を研修会で学びました

2018.06.20活動報告

北海道SHS会は6月12日、札幌市内のかでる2・7で会員向け研修会を開催し、約50名が集まりました。

実際に使用したテキストです。中身は会員専用なので残念ながら公開できません

研修会の前半は、ダウ化工(株)技術開発本部の松本崇氏が「2018年の国策助成金(ZEH関連)とこれからの断熱仕様について」を講演。業界紙に掲載された工務店アンケート結果を引用しながら、道内の住宅会社が断熱仕様に対してどんな意識を持っているかを解説。国のZEH政策や補助金についての基本的な考え方と、国土交通省、経済産業省、環境省などが募集する補助金の概要と違いについて説明しました。

その後、豊富なシミュレーション事例を使ってSHS工法のZEH仕様を詳しく解説しました。太陽光発電システム(PV)の搭載量を現実的な6kW以下に抑えるには、断熱性能=UA値がだいたい0.28W以下が必要で、そうすれば概ねZEHの要件を満たすことが可能だと結論づけました。しかし、間取りによっては7kW以上PVを搭載しないとZEH要件を満たさないことがあります。ZEHに最適化した設計の重要性を強調しました。

なお、ダウ化工では、2020年の省エネ基準義務化を見据え、北海道SHS会会員に対して基準クリアに必要な計算業務の無償サービスを提供しています。これは会員へのきめ細かなサポートの一例。ほかにも、ZEH仕様についての研究・サポートも行っており、忙しい会員工務店にとって欠かせないサービスとなっています。

休憩を挟み、研修会の後半は首藤一弘会長((株)丸三ホクシン建設社長)が自社の施工現場の写真を豊富に使いながら、SHS工法の断熱・気密施工の納まりなどを説明し、会場の参加者とディスカッションしました。SHS工法では標準となる断熱厚は決まっていますが、会員各社は細かなところで工夫をしています。たとえば、首藤氏は、スタイロフォーム断熱材を現場で有効に活用できるよう、外壁と屋根部分のスタイロフォーム断熱材の厚みを共通化し、外壁と屋根の断熱材を使い回ししやすい仕様としています。このことで、現場でゴミが出にくく、余計なコストもかかりにくくなっています。

また、窓まわりの気密施工の手順説明では、「当社ではやったことのない施工なので、納まりを詳しく説明してほしい」と、会場から質問が出たので、首藤氏がホワイトボードに書いて納まりを説明しました。それ以外にも、会場から質問が次々と出て、活発な研修会となりました。

首藤会長は、「会員の世代交代も進んで若い参加者も増えている。北海道SHS会が30周年を迎えたのを機に、初心に立ち返って断熱や気密施工について会員同士で情報交換を行うことで会の発展につながる道筋をつけたい」と話しています。当会では、今後もこのような研修会を継続的に開催する予定です。