住宅省エネの今後と長期住宅ローンを学ぶ 北海道SHS会 全道大会
2025.11.14活動報告高性能断熱材・スタイロフォームによる外張り断熱工法の普及を推進する当会・北海道SHS会(首藤一弘会長、(株)丸三ホクシン建設社長)は、去る10月23日に全道大会を開催。札幌市中央区のホテルを会場に、全道各地の工務店を中心に約40名が参加して研修を行いました。
大会は首藤会長の挨拶からスタート。来年3月に更新される国の住生活基本計画の見直しの中で、職人激減を背景にはじめて大工育成が盛り込まれる見通しとなったことに触れ、「われわれも協力して大工育成に取り組みたい」として大工育成に力を注ぐ考えを示しました。
次に断熱材・スタイロフォームの発売元であるデュポン・スタイロ(株)北日本営業部部長で札幌営業所所長の荒田淳一氏が挨拶し、10月から一部の住宅瑕疵担保責任保険法人が開始した瑕疵保証20年については、OB施主さまとの関係を大切にしてきたSHS会会員各社にとって、制度面からの追い風になり得ると話しました。
その後は各支部の活動報告が行われました。
省エネ基準は5年後に強化、上位等級の創設も始まる
研修の部ではデュポン・スタイロ技術開発本部の森本恵一氏が「一次エネルギー消費量等級の上位等級新設とZEH基準の見直し」について解説しました。
ZEH水準(断熱等性能等級5以上、一次エネルギー消費量等級は最高等級6)は現在、すっかり標準化しており(令和5年の性能評価住宅実績で86%が達成)、より高性能な住宅を評価するため、改定案として等級7(BEI≦0.70)、等級8(BEI≦0.65)を創設し、年内には取りまとめ結果が出る見通しです。なお、新等級8がGX志向型住宅の一次エネルギー消費量基準に該当します。
ZEH水準は、遅くとも2030年までに省エネ基準となる方針。2027年4月以降は現ZEH水準を強化して新たにGX ZEHの定義が定められます。そのレベルはGX志向型住宅と同レベルとなる方向です。
★これら政府による住宅省エネの方向について詳しくは、北海道SHS会の会員工務店に、お気軽にお問い合わせください。
価値ある住宅なら50年の長期ローンも心配ない
講演の部ではソニー生命保険(株)の花輪朋樹課長代理が登壇。「ファイナンシャルプランから考える住宅ローンのこれから」と題し、住宅を取得する一般ユーザーのライフプランから見た住宅ローンの考え方について解説しました。
子育て世帯がローンを組む際に最も気を付けなければならないのが、子どもたちの大学進学時で、一般的に月次返済額をできるだけ抑えることが賢明だそうです。
花輪氏が示した家計収支のシミュレーションによると、世帯収入が年間で約900万円の夫婦で子どもが2人いる世帯の場合、35年ローンだと、子どもが大学時代に家計が約600万円の赤字に陥る試算に。同条件で45年ローンだと、この時期の赤字転落を避けることができます。長期ローンを組むことで出た、余剰分を資産形成にまわすことで老後資金が潤沢になるという試算結果になるそうです。
花輪氏は「住宅価格が上昇し、購入する予算が不十分だったり、支払い計画が難しいといったお客様が増えている中で、お一人おひとりのライフプランからシミュレーションすることで、将来のリスクとその回避方法が見える化できます。住宅購入時に安心して資金計画を立てられるようになると、お客様の不安が解消され『相談して良かった』という声をいただくケースがとても多いです」と話していました。
住宅の高品質化により、優良住宅は50年以上の価値があり、家が資産になる時代。退職後の支払いもローンの組み替えができるように制度設計が始まっているそうです。長期ローンは、これからの時代の新しい住居費の考え方になる、という提案に、参加者がみな、メモを取りながら熱心に講演を聴いていました。
★ライフプランと住宅ローンについても、詳しくは、北海道SHS会の会員工務店にお気軽にお問い合わせください。
モデルハウスの公開情報を随時更新しています。
2025.08.19お知らせ当ホームページの「モデルハウス」では、北海道SHS会会員工務店のモデルハウスの公開予定・公開中の情報を随時更新しています。
2025年8月23日に、生杉建設のこだわりがつまった最新モデルハウスが公開されます。
建て主の要望を詳しく伺って注文住宅を建てるのが得意な生杉建設が、これまでお客様からいただいた様々な要望を振り返り、カタチにしたモデルハウスです。
これから注文住宅を検討されている方はぜひ、予約の上、見学してみてください。
【モデルハウスのポイント】
・家族同士のつながりが増える平屋のプラン
・吹き抜け、勾配屋根、大きな窓で開放感ある明るいリビング
・階段で上がれるロフトは子供部屋にも物干しスペースとしても活用できる
・外観はブラックのガルバリウムと、意匠性・耐久性に優れるアスファルトシングル
・車2台駐車可能
所在地:恵庭市美咲野2丁目12-5
お問い合わせ:電話0123-26-0035、または生杉建設ホームページの「お問い合わせ」から
生杉建設モデルハウスご案内ページはこちら(外部リンクです) https://ikesugi.co.jp/news/1494/
このほか、ボルダリングウォールを設けるなど子どもがのびのびと遊べるリノベーション住宅(所在地:札幌市手稲区西宮の沢、施工会社:re-ate)や、木の風合いを生かしながら質感とバランスの取れたデザインが特長の住宅(所在地:石狩市花川南、施工会社:丸三ホクシン建設)といった会員工務店の特長がよくわかるモデルハウスを多数ご案内しています。見学予約を受け付けていますので、各会員工務店へお問い合わせください。
モデルハウスページはこちら https://hokkaido-shs.jp/modelhouse/
北海道SHS会総会・研修会を開催しました。2025年1月21日
2025.02.07活動報告北海道SHS会は2025年総会・研修会を開催しました。
北海道住宅新聞の記事をご紹介させていただきます。
大工育成のノウハウや省エネ義務化への対応など
工務店が直面する課題に取り組む
北海道SHS会総会・研修会
デュポン・スタイロ(株)の高性能断熱材「スタイロフォーム」による木造外張り断熱工法を手がける道内地域工務店グループ・北海道SHS会(首藤一弘会長、(株)丸三ホクシン建設社長)では、去る1月21日に京王プラザホテル札幌で第37回定期総会を開催。全道各地から会員約40社が一堂に集まった。
事業経過報告では、総会や現場見学会、技術研修会、全道大会、役員会の開催のほか、札幌・旭川・十勝・オホーツクの各支部で研修会や懇親会などを行い、技術の向上や交流などを強化したことのほか、ホームページ・インスタグラム・いえズームへの参加などの広報戦略にも取り組み、会と会員の知名度向上と発信力強化にも取り組んだことを報告。加えて2025年も引き続き研修や広報活動に取り組むことを、満場一致で可決した。
総会終了後は研修会を開催し、『激減する大工と工務店の大工育成』と題して首藤会長が講演した。首藤会長は、木造住宅を手がける大工就業者数が令和2年には約30万人と20年間で半減し、60歳以上の比率が43%と高齢化が進んでいることや、人口10万人の都市で住宅の新築・リフォーム・メンテナンスを担うためには667人の大工が必要だが、その人数を確保することは困難になりつつあること、特に北海道では住宅会社が存在しない地域が全国的に見ても多いことなどを指摘。そのうえで大工を育成するために自社で行っている取組みを紹介し、①社員雇用による社会保険・月給制の導入②大工道具の購入費として毎月1万円を会社が負担する“道具ポイント”の付与③工期が予定より早く終わった時に余剰予算を大工へ配当④1年目の新人大工がいる現場には1時間あたり1000円の育成支援金を会社の一般管理費から支給⑤工務店の枠を超えた大工同士の交流で、愚痴を言い合える仲間を作る―などを実践した結果、大工の定着率が8割ぐらいになっていると語った。
省エネ基準義務化の対象になるかは
建築確認の時期でなく着工日で判断
続いてデュポン・スタイロ技術・開発本部の森本恵一氏が『エネルギー消費性能計算プログラムの使い方』、(一社)北海道建築指導センターの古屋剛専務理事が『省エネ適合義務化の手続きについて』をテーマに講演。
森本氏は、今年4月からの省エネ基準適合義務化によって建築確認の際に原則省エネ適合判定が必要になり、一次エネルギー消費量計算プログラム(通称:Webプログラム)を使う際には事前に設備関係仕様を用意しておくことなどをポイントに挙げるとともに、Webプログラムを実際に操作しながら外皮性能や暖房・冷房設備等の入力方法などについても解説した。
古屋氏は省エネ適合義務化の手続きに関し、現段階で明らかになっているポイントとして「増改築では増改築を行った部分のみ基準に適合すれば良い」「適合義務制度の対象になるかどうかは、建築確認の時期を基準としているのではないことに注意。4月1日以降に着工する住宅・建築物が対象で、3月末までに着工するものは対象外」「3月は確認申請が殺到すると予想されるので、余裕を持って申請してほしい。受付期限にも注意が必要」などと話したほか、仕様基準による性能確認などによって省エネ適判を省略できるケースなどについても解説した。









