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第29回北海道SHS会全道大会が開催されました!

2022.11.02活動報告 お知らせ

北海道SHS会は10月13日午後、3年ぶりとなる第29回全道大会を開催しました。

ZoomやTeamsなど、ビデオ会議ツールで会員同士がつながるというやり方もありますが、やはり顔を合わせて行うと、その場の空気感を共有することができて安心します。全道から約40名の会員が参加しました。

スタイロフォームHPが見える箇所を見学者のために残していました

スタイロフォームHP、道内初施工

参加者はまず、貸切バスに乗って、札幌市内にある(株)丸三ホクシン建設が施工中の建設現場を見学しました。この現場は、デュポン・スタイロ(株)がサンプル出荷した「スタイロフォームHP」を道内で初めて使用しています。スタイロフォームHPは、ラムダ値0.020Wと同社で最も高性能な断熱材で、国内でも最高レベルの性能を誇っています。

写真中央が現場の説明をする首藤会長

現場では、首藤会長が住宅の概要を説明。お施主様の強いご希望で、室内で音が反響しづらいように、柱と柱の間に吸音性能の高い木質繊維断熱材を入れています。木質繊維断熱材は、スタイロフォームよりも断熱性能は劣るものの、ロックウールやグラスウールのような繊維系断熱材と同等の性能を持っています。柱の外側の付加断熱材は、北海道で初施工のスタイロフォームHPと、SHS工法のメイン断熱材のスタイロエースIIを2層張り(重ねて張っている)という凝った仕様。外壁の合計断熱厚は20cm近くになり、断熱等級6レベルの高断熱住宅となっています。

実演して説明する青山社長

さらに現場では、(株)青山プリザーブの青山達哉社長がシロアリ予防システム「セントリコン」について、建築現場でどんな工事を行っているのかを実演しました。

 

SHS工法の住宅は道内で大健闘

その後、一行は札幌駅近くのTKPガーデンシティ札幌駅前に移動して大会を始めました。

首藤会長

大会では、首藤一弘会長が、「3年ぶりの北海道SHS会大会開催となった。この間、当会ではホームページの充実を行った。本日訪れた現場のお施主様も当会ホームページを見ており、成果が着実に現れている。当会ではシロアリ被害防止にスタイロフォームATという大きな武器があるが、さらに本日の青山社長の講義でとても興味深いお話が聞けると思う」とあいさつしてスタート。

続いて事務局から今年度の活動状況と、今年9月までのSHS工法による住宅施工棟数の報告がありました。北海道では戸建の着工数が大きく落ち込む中、SHS工法の住宅施工棟数は前年比横ばいで推移しており、大健闘しています。

 

75mm厚のSHS工法で断熱等級6がクリア可能

国土交通省の資料から

この後研修会として、デュポン・スタイロの森本恵一氏が「SHS工法施工マニュアル作成について」と題して講演しました。今年から始まった断熱等級5~7に対応した断熱仕様と、施工方法、施工上の注意点などを記載した施工マニュアルを作成中であることを説明しました。

断熱等級とは、国が住宅の性能をわかりやすく表示できるよう作った「住宅性能表示制度」で用いられる断熱性能の等級です。等級1~3は省エネ基準以下のランク分け。ただし、省エネ基準が義務化される2025年度以降は、新築で建てられなくなります。等級4が省エネ基準クリア。等級5~7は、省エネ基準よりも高性能な断熱性能であることを表しています。

北海道では、新築住宅では断熱等級4をクリアする住宅がほとんどですが、等級5以上となると対応する会社とそうでない会社に分かれます。住宅価格に跳ね返ることはもちろんですが、「断熱材が厚くなると設計や工事がやりづらいから」という声もあります。柱の間に断熱材を入れていただけの住宅会社では、等級6以上になると柱の外に断熱材を付加することが必要になります、そうすると、窓を取り付けるやり方が変わったり、下地材を追加するなど、設計や工事のやり方を変える必要があるからです。

ところがSHS工法では、断熱等級6であれば外壁にラムダ値0.022WのスタイロフォームFG 75mmを外張り施工すればクリアできます。これまでスタイロエースII 75mm外張り施工を標準としてきたSHS工法では、納まりを変更することなく高断熱化できるのでメリットが大きいです。「工事しづらい」ということがないからです。これは、断熱材の性能向上だけでなく、窓や玄関ドアの性能向上も関係しています。20年前と比べれば、窓も玄関ドアも断熱性能は約2倍良くなっています。

来年は、会員の間で断熱等級6に対応した家づくりが広がることと思います。省エネ基準よりも2ランク上の性能ですから、他の住宅とは快適性や暖房費の安さで差がつきます。

 

シロアリ被害を予防するセントリコンシステム

青山氏

最後に、青山プリザーブの青山社長が「北海道の白蟻被害と防除」と題して特別講演しました。北海道内に生息するヤマトシロアリについて、「何万匹も集まって地中に巣を作り、行動半径が広い。薬剤を散布しても生き残る働きアリがある。その中から1匹が女王アリに変態(形が変わるという意味)して新たなコロニーを作る能力を持つため、従来の薬剤散布ではシロアリを根絶するのは難しい」とした上で、セントリコン・システムを紹介しました。

セントリコン・システムは、住宅外基礎まわりに3m間隔で脱皮を阻害する物質が入った毒餌を専用容器に埋込み、その餌を食べることで働きアリが脱皮成長できなくなって死滅し、最後は働きアリから餌をもらっている女王アリや兵隊アリも死滅してコロニーが消滅します。毒餌といっても、即死するわけではなく、脱皮するタイミングで死ぬため、完全に死滅させるまで平均2年かかりますが、毒餌は乳幼児や高齢者、ペットへの安全性が高いことが認められ、重要文化財の保護にも使われています。

北海道ではシロアリ被害が北上しており、留萌市でも被害報告がありました。今後は防蟻対策を真剣に考える必要があるとのことです。基礎断熱住宅では、基礎断熱材を蟻道(ぎどう=通り道)として柱までシロアリが到達しやすくなるため、注意が必要だと言います。そこで、蟻道を作らせないスタイロフォームATと、白蟻被害を予防できるセントリコン・システムの併用が有効という結論になりました。