省エネ・時短・便利。住宅設備の2023年新製品
2023.12.08エアコン、給湯機、衣類乾燥機など、住宅にはさまざまな設備機器が取り付けられます。見た目は大きく変わっていないようでも、中身はどんどん進歩しています。今年発売された新製品から、そうした注目の機器をご紹介します。
この冬、高断熱・高気密住宅が危ない!光熱費の節約NG行動とは?
2023.01.13室内環境を良好に保ちながら光熱費を節約しましょう
ウクライナ情勢の悪化や円安などで、エネルギー価格の高騰が止まりません。それどころか、この冬は電力需給が厳しく、国では暖房需要が増加する3月末まで節電要請を実施中。そのため、消費者が節約行動に走る可能性が非常に高い状況です。しかし、全室24時間暖房・24時間換気を前提とするSHS工法のような高断熱・高気密住宅で誤った節約行動が取られた場合、室内環境の悪化を招く原因になります。そこで、高断熱・高気密住宅の住まい方や注意点、光熱費の節約方法などを改めてまとめました。
光熱費が家計に重くのしかかる
電気・ガス・灯油の値上げが、一般市民の暮らしを直撃しています。国際的に原油やLNG(液化天然ガス)、石炭などの価格が高騰。エネルギーの輸入依存度が高い日本では、円安が進んでこれらの調達コストが押し上げられたことも、エネルギー価格高騰の一因になっています。
この状況は今後も続きそうで、道内では北海道電力(株)がエネとくプランやeタイム3、ドリーム8などのいわゆる“低圧自由料金プラン”で燃料費調整額の上限を廃止しました。これにより、2022年12月の電力料金は6円9銭/kWhも上昇。たとえばZEHやオール電化住宅などで良く使われる「eタイム3」では、2022年11月に夜10時から朝8時までの夜間時間の電力料金単価は、燃料費調整額、再エネ賦課金を合わせると21円74銭/kWhだったのが、12月には27円83銭/kWhになりました。午後1時~6時の午後時間の場合は、47円78銭/kWhから53円87銭/kWhに。とうとう50円超えです。
一方、北海道ガス(株)もガス料金の算定で原料費調整に用いる平均原料価格の上限を廃止しました。さらに、北海道電力ではこの春から家庭向け規制料金(従量電灯Bなど)の値上げを国に申請する見込みです。安い電力料金を求め新電力会社で契約した人の中には、北海道電力以上の大幅値上げや電力会社の倒産・廃業によって困惑している人もいます。
政府は来年1~9月にかけて標準的な家庭で光熱費負担を約45000円軽減する総合経済対策を打ち出しました。これにより、電気料金は7円/kWh補助されますが、値上げ幅をすべて吸収しきれそうにありません。
これ以外にも灯油価格は100円/Lを超えるなど、エネルギー価格の高騰は、家計の負担増として重くのしかかりそうです。
間違った節約行動で結露やヒートショックなどの可能性
このようにエネルギー価格が上がり続ける中、消費者が電気やガス、灯油を節約することで家計への負担を減らそうとするのは自然な成り行きです。ただ、高断熱・高気密住宅でやってはいけない節約NG行動があります。
具体的には次のような節約NG行動があります。
1.あまり使わない部屋等の暖房を止める、または設定温度を下げる。
2.夜間に暖房用ボイラーの運転を止める。
3.ポータブルストーブで部分間欠暖房を行う。
4.換気システムを止める、または換気量を減らす。
高断熱・高気密住宅での暖房は、全室全日(24時間)が原則です。使っていない部屋や居室以外の空間の暖房を止めてしまうと、家の中に温度差が発生し、結露が発生したりヒートショックのリスクが出てきます。また、温水パネル式セントラルヒーティングでは、サーモバルブの設定を「0」にしてしまうと、温水がパネルに循環しなくなるので部屋が温まりません。節約で室温を下げるにしても、設定は「3」くらいにとどめるのが無難です。
さらに、節約のため就寝時は暖房用ボイラーの電源を切り、運転を止めてしまうケースもありますが、一度建物が冷えると電源を入れて運転を再開した時に室温が上がるまで時間がかかり、結果的にエネルギー効率の悪い使い方となります。24時間連続運転は止めずに、寝るときにボイラーの温度を少し下げる方が燃料費が安くて快適さも損なわず、お勧めです。
このほか、セントラルヒーティングより個別暖房のほうが節約になると考えて、ポータブルストーブやファンヒーターなどを使う人もいますが、気密性が高い住宅で開放型のポータブルストーブなどを使うと、一酸化炭素濃度やVOC濃度の上昇、結露発生などの恐れがあります。また、電気ストーブはエアコンと違ってエネルギー効率がかなり悪いため、節約どころか割高につきます。脱衣室やトイレなど狭く区切られた場所の補助暖房にとどめましょう。
古い電気パネルヒーターや蓄熱暖房機を使っている人なら、寒冷地向け暖冷房エアコンに取り替えるという手もあります。
冬季の換気停止は厳禁
換気システムは、ふだんはその効果に気付くことが少なく、24時間ずっと動きっ放しのため、ついつい節約のために運転を止めたくなります。しかし、高断熱・高気密住宅で換気システムの運転を止めてしまうと、結露が起こる可能性が高くなるだけでなく、建材や家具から放散される有害物質(VOC室内濃度)が上昇したり、不快な臭いがこもったりして、健康に悪影響を及ぼすことも考えられます。特にコロナ禍では十分な換気が大切と言われているだけに、冬季の運転停止はNGです。
このほか、給湯機器の使い方も光熱費に大きくかかわってきます。これは節約の余地があります。1.節水型機器を採用する、2.給湯機を節電モードや省エネ・ひかえめ設定、給湯量セレクト(分あたりの給湯量設定)などで使用する、3.数日間家を空ける場合は沸き上げ休止設定を行う―など。
こうした大変な状況でも、北方型住宅ZEROや札幌版次世代住宅基準のスタンダードレベル以上の性能を持った高断熱・高気密住宅では、従来の高断熱住宅に比べてかなり暖房費を節約することができます。建てる時に少々コストアップになったとしても、電気、ガス、灯油の料金単価が上がれば上がるほど、暖房費の安さがはっきりしてきます。これから家を建てるなら、お近くの北海道SHS会の会員工務店にまずはご相談ください。
災害に強い家づくり「レジリエンス住宅」
2022.10.05北海道でカーポートの人気が上昇中!選び方をご紹介
2022.07.26今年2月は札幌で記録的な大雪が降りました。古いカーポートが雪の重みで倒壊するなど大きな被害が出ました。一方で、共働き世帯が増えたことで雪かきがたいへんな手間になっています。最新型のカーポートは雪に強く、燃料費をかけずに雪かきの手間を大幅に減らせるため、人気が上昇中です。
そこで、カーポートの選び方をまとめてみました。
急速に変わる省エネ住宅~ZEH+EVがこれから標準に?
2022.04.253月のブログでカーボンニュートラルを戸建住宅で実現するためには、ゼロエネルギー住宅=ZEHを普及させることが不可欠と書きました。一方で、太陽光発電の売電単価が大幅に安くなり、一般的な住宅との建築費差額を売電によって回収することが難しくなりました。
そこで考えられているのが、電気自動車(EV)とZEHをセットで普及させるというもの。この両者は実はとても相性が良いのです。今年6月にも発売されると噂される実質200万円以下の軽EVとZEHなら、セカンドカーを燃料費ゼロ円で使うことが可能になり、家庭の電気代もゼロ円が可能なのです!
今回は、そんな夢のある話を書きます。
シロアリより黒アリが困る!?
2021.07.12なぜか嫌われ者の黒アリ
北海道にシロアリがいる話は以前に書きましたが、北海道で頭を悩ませるアリは、シロアリよりもトビイロケアリと呼ばれる、どこにでもいる黒アリが多いです。だいたい6月から8月にかけて行動が活発になり、室内に侵入してくることも多くなります。
室内に出てくる黒アリの退治は、そう難しくなく、ホームセンターや薬局などで販売されている家庭用殺虫剤を使えばOK。巣ごと駆除するなら、アリの巣専用の殺虫剤もあります。基礎断熱材に巣を作る例もありますが、専門家によれば、断熱性能が低下するまでの被害には至らないそうです。
ただ、問題は住宅に対する被害ではありません。黒アリは、人に対する害も特にありません。ただ、住まい手にしてみれば、どこから何匹くらい室内に入ってきているのか、かまれたりはしないか、食べ物にたかったりしないかなど、小さな虫=黒アリに対する嫌悪感から大きな不安につながりかねません。
特に問題なのは、新築したばかりの高気密を売りにする高性能住宅。気密性が高い住宅なのに黒アリが入ってくることに納得できないユーザーがいます。「ホントに高気密なの?」と思う人もいます。
高気密住宅でもドアの開閉などをきっかけに室内に侵入する場合があります。高気密住宅と言えども隙間はゼロというわけではなく、小さいアリや虫が侵入する可能性はあります。
駆除方法は難しくない
解決策としては、殺虫剤による駆除や、侵入する原因・経路の特定などに加え、1.床下空間などにアリが侵入していないか、定期的に点検を実施してもらう 2.専門業者による駆除―などの対応を住宅会社に求めるのも手です。
札幌や旭川などで施工している基礎工事業者の話では、黒アリの侵入経路として、1.布基礎と防湿コンクリート(捨てコン)との取り合い部分 2.基礎天端と土台の間―の2箇所が多いと言います。建物に対策を施すとしたら、まずこれらの部分を密閉することが必要になるそうです。
布基礎と防湿コンクリートとの取り合いについては、コーキングで密閉する方法があります。黒アリ以外にも、わらじ虫など不快害虫全般の侵入防止を考えて対策した工務店があり、対策後は虫の侵入が少なくなっているそうです。
最初から対策を行っておけば、万が一、どこからか虫が侵入した時にも、「ここまで対策して出てくるのであれば」とユーザーも納得できますね。
黒アリやワラジムシなど不快害虫の侵入対策は、基礎工事業者や害虫駆除業者にも意見を聞きながら、侵入する可能性がある箇所を1つ1つ潰していくしかないようです。
対策に悩んだ際には専門家に相談することがおすすめ。(株)青山プリザーブ:問い合わせTEL 011-882-1722(札幌市清田区平岡3条3丁目1-5)。
テレワークがはかどるアイテムのご紹介
2021.05.31昨年からテレワーク(在宅勤務)をやり始めた人、意外と多いんじゃないでしょうか。ふだんとは違う環境で仕事をするとなると、緊張したり逆に気が緩んだり。
在宅勤務やテレワークで仕事の能率を上げるには、「リラックスして快適に働ける」ことが大事もしれません。
会社にいるときは、気軽に音楽を聴いたりおいしいコーヒーを飲むことができないことがプチストレスになっていました。自宅なら音楽を聴きながら、お気に入りのコーヒーを飲みながら、仕事ができます。しかし、大切なのはあくまでも仕事に集中すること。
ストレスなく仕事に集中できる、テレワークを快適にするちょっと贅沢なアイテムを紹介したいと思います。
○椅子
建築家の宮脇檀(みやわきまゆみ)さんは、「父親はいい椅子に座れ、子どもには座らせるな」と著書で語っていたそうです。
父親専用書斎があれば便利ですが、多くの家ではそんな場所はないと思います。部屋の一角に快適なテレワークスペースを作るのに一番大事なのは、いい椅子を選ぶこと。長時間座っても疲れない椅子が一番いいのです。
でも、これが難しい。家具屋さんでいろんな椅子に座ったことがありますが、なかなかピンとくる椅子には出会えませんでした。
数年前、ソファを買いに行った時のこと。家具屋さんから「実は同じデザイナーのダイニングチェアも座り心地がとてもいいんです。これでずっとくつろげるという人もいますよ」と言われて座ってみたのが、カイ・クリスチャンセンがデザインした「No.42」。その優美なデザインと座り心地が気に入ってしまい、ソファを買うのを止めて椅子をオーダーしてしまいました。
60年以上前にデンマークでデザインされたこの椅子。驚くのはデザインよりも座り心地です。事務所の椅子は2時間も座ると太ももの付け根やお尻が痛くなるのですが、この椅子は全然痛くなりません。また、背中がまっすぐ伸びる姿勢に自然となるので腰も痛くなりません。ストレスフリーな椅子です。
この椅子は、張地がオーダーできるだけでなく、座面の高さも調節できます。もともと欧米人向けにデザインされているので座面高は46cmありますが、平均身長よりやや低めの私は43.5cmにカットしてもらいました。だから、太ももの角度がちょうど良くて疲れません。クッションの硬さもちょうど良い感じ。
写真のように、背もたれが少しリクライニングできるのもお気に入り。
ダイニングチェアは「1時間も座れば立ち上がりたくなる」、と勝手に思い込んでいたのですが、そうではなかったんです。
オーダーしてから完成するまで約3ヵ月かかりましたが、待った甲斐がありました。
ちなみに道内でオーダーできるのは、
http://www.northfactory.com/ (札幌市西区)
https://blog.goo.ne.jp/yks687 (函館市)
http://www.simplepleasure.jp/ (札幌市中央区)
http://less-style.net/ (旭川市)
https://www.ildono.jp/ (千歳市)
の5店です。
価格は、椅子に使う樹種や張地のランクによっても変わりますが、8万円以上かかります。
○コーヒーマシン
今はコンビニで手軽においしいコーヒーが飲める時代。でも、1日に何回も買っていたらお金かかりますよね。
そこで、コーヒーマシンを自宅用に買う人が増えています。一番手軽なのがカプセル式。コンビニや通販などで売っているコーヒーカプセルをセットするだけで手軽においしいコーヒーが楽しめます。
もう一歩進んで、スタバのようなコーヒーを自宅で飲みたい、という人にはデロンギの全自動コーヒーマシンがお勧め。
マシン本体にコーヒー豆は入れておきます。使う時に水と牛乳を用意し、スイッチを入れてボタンを押せば必要な分だけ豆が挽かれてコーヒーが抽出されます。さらに、牛乳をマシンにあるスチーム機能で泡立たせてコーヒーの上に載せればカフェカプチーノのできあがり。自動洗浄機能がついているので、お手入れは最小限で済みます。
最近は5万円前後で買える機種もありますので、だいぶお手軽になりました。
○Bluetoothスピーカー
音楽を聴きながら仕事。でも、「取引先から電話がかかってきたらどうしよう?」と思っている人もいるでしょう。慌てて電源を切る?いえ、全然必要ありません。自宅の固定電話にかかってきた場合は別ですが、スマートフォンにかかってきたら、そのまま通話ボタンをポチッとするだけで音楽が止まります。
スマホに接続できるBluetoothスピーカーならほとんど備わっている機能です。お気に入りのBluetoothスピーカーでApple MusicやAmazon Musicを聴きながら仕事をしていても、誰にもバレない(笑)のです。もちろん、自分からスマホで電話をかける時も同様。音楽は自動的に止まり、通話が終われば勝手に再開してくれます。
テレワークのお供にしているのは、B&Oの「Beoplay P6」というBluetoothスピーカー。ダークプラムという限定色が、たまたまNo.42で選んだ張地の色と似ていたので衝動買い。
このスピーカーも、デンマークのデザイナーによるもの。シンプルで美しいデザインです。分厚い単行本ぐらいの大きさですが、音の広がりや響きがとても良く、LDK全体に響き渡るほどの大音量も出ます。価格は高めですが、仕上げも音質も素晴らしいものです。
それぞれは、「ちょっと贅沢かな」という品物ですが、仕事しない時でもきっと生活をワンランク上の気分にしてくれるものです。
間もなく夏のボーナスシーズンになりますね。一度家電量販店や家具店に行ってみてはいかがでしょう?