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省エネ・時短・便利。住宅設備の2023年新製品

2023.12.08

エアコン、給湯機、衣類乾燥機など、住宅にはさまざまな設備機器が取り付けられます。見た目は大きく変わっていないようでも、中身はどんどん進歩しています。今年発売された新製品から、そうした注目の機器をご紹介します。

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ZEH水準の木造住宅は構造計算が必要になる!?

2023.11.22

これからは木造住宅にも構造計算が必要?

構造計算書は200ページ以上の超大作!

これまで木造住宅では、構造計算を行う会社は多くありませんでした。
構造計算(許容応力度計算)とは、人や家具などの重さ、またその地域の地震・積雪・風などの自然の力に対して、建物の安全を維持できるかを検証する計算のこと。計算することによって基礎と地盤を正しく評価したり、必要とされる壁の量やバランス、部材の大きさや耐力を定量的にチェックします。

さて、2階建てや平屋建ての木造住宅で延床面積が500m2以下の建物を、住宅業界では「4号物件」と呼んでいます。この4号物件は、必要壁量や壁配置バランス、柱頭・注脚の接合などを、建築基準法で規定されている仕様規定(簡単な計算と仕様チェック)で確認すれば構造計算を行う必要はないと規定されているからです。

建築確認申請でも、建築士が設計・工事監理を行っていれば、4号特例によって構造規定の審査そのものが省略されます。

 

住宅1棟の構造計算書は200ページ以上もあります。これを作成するには、パソコンを使ってもたいへんな労力が必要です

ところが、2025年4月に行われる予定の「4号特例・構造基準見直し」や、住宅価格の上昇などを背景に、木造住宅でも構造計算の重要性が高まってきています。

特に4号特例・構造基準見直しの影響は大きく、延床面積200m2以下の平屋を除いて確認申請時に構造規定関連の図書を提出することになるのはもちろん、ZEH水準(再生可能エネルギー利用設備なしでも可)以上の性能の木造住宅であれば、壁・柱の構造基準が見直しとなることによって、構造計算をしないと柱小径(柱の断面寸法)の拡大などによって設計・施工への影響が避けられなくなるからです。

構造計算すれば基準法の壁量計算・柱の小径確認は不要

いざという時に備え、構造計算で検証すれば安心材料になります

ZEH水準の住宅は、断熱等級5以上の高性能な住宅です。断熱性強化で付加断熱施工や太陽光パネルを屋根に搭載することもあり、省エネ基準ギリギリの住宅に比べると外壁や屋根構造に負担がかかると考え、壁や柱の基準を厳しくすることにしたのです。

国が住宅会社などに示したZEH水準住宅の新たな構造基準

構造計算をしない場合、建築基準法施行令による壁の構造基準の確認は、新たに規定される「1.実際の建物荷重に応じ、必要壁量を計算で求める精緻な方法」か、新たにZEH水準等に対応する基準が追加される「2.簡易な壁量確認方法」のいずれかで行うことになります。1.は壁の仕様に応じて必要壁量を簡易に把握できる早見表(試算例)を使える予定となっているものの、2.は計算に用いる係数がZEH水準未満の住宅よりも厳しくなります。

同じく柱の構造基準への適合も、ZEH水準の住宅では柱の小径確認で計算に用いる係数の数値がより厳しくなり、北海道で最も一般的な105mm角では適合できないケースもでてきそうです。仕様を変更するとなると、建物のコストアップにつながる可能性が高くなります。

北海道では、ZEH水準の性能を持った住宅が主流です。たとえば札幌市が行った『札幌版次世代住宅に関する調査結果』によると、札幌市内で2022年度に着工した戸建住宅のUA値(断熱性能)は、ZEH水準の0.40w以下が約87%に達し、大半の住宅がZEH水準になります。

そこで構造計算が注目されています。構造計算を行えば、基準法施行令第46条の壁量計算が省略可能となります。柱は仮に105mm角がダメでも105×120mmなどの平角材を使えるので壁厚は105mmのままで済みます。さらに構造計算を行うことで、実際の積雪荷重も加味した柱・梁の断面や基礎等のチェックが可能です。4号特例・構造基準見直しへの対応として、構造計算を行う意味は大きく、過剰な設計を避けることができるのでコストダウンにもつながる可能性があります。

速報!国が新しい計算ツールを整備すると発表

住宅会社向け法改正説明会で、国が整備すると示した壁量計算・柱小径計算のツール

一方、構造計算することによる住宅会社側の負担の大きさを懸念する声もあります。11月現在、全国で住宅会社や設計事務所を対象に開催している、国土交通省の改正建築基準法説明会では、構造計算をしなくても壁量や柱の小径を算定できる新たな設計支援ツールを国が整備すると発表しました。住宅の屋根や外壁の仕様、床面積、太陽光発電設備の有無など住宅図面の情報を入力するだけで必要な壁量や適切な柱の小径を算定できるそうです。強度の高い樹種を選べば105mm角の柱でもクリアできる可能性が高くなるとか。簡易な計算で構造安全性を高め、「簡易な壁量確認方法」のような過剰設計を防げるため、取り組む住宅会社が増えそうです。

 

高断熱・高気密住宅の上階と下階の音対策はどうする?

2023.11.10

高断熱・高気密住宅では、車の走行音など外部騒音が聞こえにくくなる一方、足音や物の落下音など室内で発生する音が耳につくようになると言われています。今回は特に2世帯住宅で問題となりやすい、上階から下階に伝わる衝撃音対策を紹介します。

高断熱・高気密技術が普及する前は、車が走っている音など屋外の音が室内に入ることで室内で発生する音はかき消されるため、さほど問題になりませんでした。ところが外壁の断熱が厚くなり、家全体のすき間をかき集めても名刺サイズより少ないことが珍しくなくなった現在の高気密住宅では、屋外からの音が聞こえにくくなった分だけ室内の音が聞こえやすくなり、「子どもの話し声が気になる」といった問題が生じやすくなっています。

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2023年、北海道の地価高騰がすごい!対策は?

2023.06.30

地価上昇率全国1位から100位まですべて北海道が独占

住宅地の地価上昇率上位50位は北海道の4都市がほぼ独占

今年3月に、国土交通省から2023年地価公示が発表されました。実際の取引価格とは別に、国が調査地点の土地の価値を決めるというもの。もちろんこの結果は、実際の取引価格にも影響を与えます。

地価高騰のニュースを覚えている方も多いと思います

テレビや新聞などで話題になったのでみなさんもご存じかとは思いますが、地価上昇率の上位を北海道が独占しました。特に住宅地では、トップ100がすべて北海道という快挙?だったのです。

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札幌版次世代住宅補助が2023年度から大きく変わります

2023.04.04

2012年にスタートした、札幌版次世代住宅補助制度。毎年少しずつ制度が変わってきましたが、今年度は基準そのものの変更を含む大規模なものとなりました。

太陽光発電と蓄電池の設置を必須要件とするなど認定基準を一新。新たに4つの等級を定め、UA値0.18W以下など最も高性能な“プラチナ”が220万円補助、断熱等級7相当などを要件とする“ゴールド”が180万円補助、同6相当などを要件とする“シルバー”が60万円補助となっています。太陽光発電と蓄電池の導入に関しては、同市の再エネ省エネ機器導入補助金が併用できますので、実際の補助額はさらに増えます。

2023 年度から運用される新基準は、断熱性能(UA値)と一次エネルギー消費量(BEI)、気密性能断(C値)を定めた“断熱等基準”と、太陽光発電・蓄電池の設置を定めた“ サステイナブル要件”の両方を満たすことが必要です。

断熱等性能UA値は最も高性能等級の“プラチナ”で0.18W以下、最も低い等級の“ブロンズ”で0.40W以下。BEIは“プラチナ”が0.6以下で他の等級は0.8以下に統一。C値は全等級0.5cm2以下(改修は1.0cm2以下)です。なお、ブロンズは認定のみで補助金の対象外です。

サステイナブル要件は、1.合計出力1.5kW以上で、蓄電池または電気自動車と接続する太陽光発電(電気自動車の場合はV2H充電設備も必要)2.容量2.0kWh以上のリチウムイオン蓄電池を設置し、住宅のコンセントから使用できる設備も設けること―の2つです。蓄電池は、最近アウトドアや車中泊用に人気のポータブル蓄電池も対象です。2.0kWhのポータブル蓄電池は、重さが20kg程度で、なんとか持ち運びできます。休みの日はレジャーに使い、平日は太陽光発電から充電する、という使い方が可能です。

補助制度はプラチナ・ゴールド・シルバーの3つの等級のみ新築戸建ての注文住宅を対象に行われ、ブロンズは補助対象外。補助金交付にあたっては、まず登録受付期間内に登録申請を行い、登録が決定したら適合審査を経て補助金交付申請書を提出します。登録受付期間は年4回予定されており、各回とも予定額を上回る申請数があれば抽選を行います。4回目については、3回目終了時点で全体予算の枠を使い切っていない場合のみ実施します。

登録申請では上位2等級を優先

なお、いずれの登録受付期間もプラチナとゴールドの合計申請額が予定額を超えた場合、プラチナ・ゴールドの申請者のみで先に抽選を行い、シルバーは補助金の対象外となってもらえません。予定額を超えなければ、プラチナ・ゴールドの申請者は全員補助金が交付され、シルバーは残る予定額から分配します。シルバーの申込数が残る予定額を超えた場合は抽選となります。

昨年は、トップランナーやハイレベルなど上位等級に申し込んでも申込者多数の場合は抽選となり、当選確率も下位等級の申込者と変わりありませんでした。「上位等級の仕様にするには、費用もかかるので、もし補助金に当選しないリスクを考えるとお客さまも尻込みするのでは?」という工務店の声もありました。今年度はその点大きく改善されたようです。

登録受付期間は、第1回=4月19日(水) ~ 26日(水)、第2回=6月14日(水) ~21日(水)、第3回=8月23日(水)~30日(水)、第4回=10月18日(水)~25日(水)。

なお、太陽光発電値と蓄電池の補助で併用できる再エネ省エネ機器導入補助金の概要は4月4日現在、まだ公表されていません。4月中旬までに発表される予定です。ちなみに2022年度の補助額は太陽光発電が2万5000円/kW、蓄電池は2万2000円/kWh。併せた補助金の上限は、合計26.2万円でした。

 

制度の詳細など、問い合わせは札幌市都市局市街地整備部住宅課へ(TEL 011-211-2807)。

また、札幌市ホームページからパンフレットをダウンロードすることもできます。

QRコードから、札幌版次世代住宅補助金のページが閲覧できます

 

札幌版次世代住宅補助金で【フラット35】の金利が最優遇金利に

札幌市では、4月3日から住宅金融支援機構と地域連携協定を結び、札幌版次世代住宅補助金を利用する人に「【フラット35】地域連携型」が適用できます。従来からある【フラット35】Sの金利優遇も同時に併用できますので、借り入れ当初から10年間、【フラット35】の金利が0.5%引き下げられます。補助金対象外の「ブロンズ」の認定を受けた人も、【フラット35】S(ZEH)の利用が可能で、この場合は当初5年間が0.5%、6年目~10年目は0.25%金利が引き下げられます。

 

北方型住宅ZEROと札幌版次世代住宅基準、共通するのは○○○だった!

2023.03.10

今年も2ヶ月以上経ちました。4月からは新年度となり、北海道や札幌市などの自治体では新しい住宅政策が始まります。

新築住宅には太陽光発電の設置が今後求められる

札幌市の札幌版次世代住宅基準は、2012年から続く制度ですが、今年から制度が変わります。これまで独自の性能基準を設定していましたが、わかりやすくするため国が定めた断熱等級に合わせた基準となります。北海道の北方型住宅ZEROは、これまでの北方型住宅2020をベースに北海道らしい環境に優しい住宅を目指した制度内容となります。札幌市の基準も北海道の基準も家を建てる人の義務ではなく、「こういった住宅が増えることを期待している」というものですが、札幌市は補助金を出して推奨しています(北海道は補助金制度はありません)。この2つの制度には、共通点があります。

北海道も札幌市も、新しい独自の省エネ住宅基準で太陽光発電の設置を求めています

それは、どちらも太陽光発電の設置を求めていることです。国が2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げ、住宅政策も大きく変わりました。カーボンニュートラルを達成するためにはCO2排出量を実質ゼロにする必要があります。住宅では、太陽光発電のようにエネルギーを創ることで自宅で消費したエネルギーと「差し引き0」にすることが必要です。つまり、2050年には住宅すべての平均でZEHにしないと目標が達成できないことになります。

2050年に達成しなければならない“カーボンニュートラル”

カーボンニュートラルのイメージ。CO2排出量を減らすことも大事=つまり、高断熱化が必要です

これまで北海道では、太陽光発電は「冬は雪が多いので発電しない」「雪の重みでパネルが破損する恐れがある」などの理由で設置される割合が全国平均と比べて少なく、普及が難しいと思われていました。東京都では、大手住宅会社に対して太陽光発電の設置を義務化することが決まりましたが、北海道では断熱気密に対してお金もかかりますし、太陽光発電設置でさらに費用が増えるとなると、家を建てる人がさらに減ってしまう可能性があります。

札幌市では、地元工務店が取り組みやすく、CO2排出量を大幅に減らせる住宅として要件を決めた

そういった事情も踏まえ、北海道も札幌市もZEHの実現を早急に求める内容にはなりませんでした。札幌市では、「地元の工務店が、普通のこととしてできるような要件にして、広がっていってほしい」として、低コストで導入できるようにしました。また、北海道も札幌市も『外壁に太陽光発電パネルを設置する』という提案がされています。発電効率は屋根ほどでないにしても、冬場は雪からの反射光も発電に使えるメリットや、雪が積もらないため年中安定した発電ができると注目されています。

札幌市は太陽光発電と蓄電池両方の設置を求める

壁に取り付ける太陽光発電と蓄電池のイメージ(札幌市の資料より)

札幌版次世代住宅基準では、1.5kW以上の太陽光パネルと2kWh以上の蓄電池(ポータブルタイプもOK)を設置することが要件となります。この程度の容量なら設置費用は合計100万円以下で済みそうです。しかも、札幌市では太陽光発電や蓄電池設置に補助金を出しているので自己負担がさらに減ります。

ちなみに、蓄電池容量が2kWhあれば、「LDKにあるテレビや照明、冷蔵庫などを何時間か動かすことができ、停電時に約1日分活用することができる」と札幌市は説明しています。また、この容量であれば市販されているポータブル蓄電池でまかなえるため、普及が期待できると説明しています。

北海道は広い意味で環境に優しい住宅を求めている

北海道が推進する「北方型住宅ZERO」のCO2排出削減イメージ

北海道が推進する北方型住宅ZEROは、太陽光発電や蓄電池だけでなく、地場産材の使用や高断熱化、高効率設備の採用など、CO2排出量を減らすさまざまな取り組みを独自評価して加点し、合計10点以上になれば北方型住宅ZEROとして認定されます。太陽光発電は1kW以下でも加点対象となります。さらに薪ストーブやペレットストーブの利用も加点対象となります。「トータルでCO2排出量を減らせば良いのではないか」という観点で、ZEHというよりも、CO2排出量を大幅に減らした環境に優しい新しいサステナブルな住宅のあり方を提案しています。

北海道では、通風しやすい設計もCO2排出量削減に効果があると評価する

共通しているのは断熱性能の向上

北海道と札幌市は、大容量の太陽光発電を求めない代わりに、大幅な高断熱化を求めている点でも共通しています。省エネ基準レベルの断熱等級4から3ランク上の断熱等級7以上のUA値0.18Wまで性能を上げれば、エネルギー消費が大幅に少なくなり、札幌市の試算では一次エネルギー換算で4割以上減ります。そうすると、省エネ基準ではZEHにするため7kW必要だった太陽光発電が4kW程度で済むことになります。この条件で2kWの太陽光発電を導入すれば、NearlyZEH(省エネ基準の住宅に比べて75%のCO2削減)の達成も見えてきます。

こうしてみると、北海道も札幌市も、積雪寒冷地の事情に配慮しながら、温暖化防止の取組みを進めていることがわかります。断熱性能を大幅に上げれば、暖房費は間違いなく安くなります。1月の光熱費が5万円から10万円に跳ね上がるのと、2万5000円が5万円に跳ね上がるのでは、どちらが辛いですか?

北海道が計画している「北方型住宅ZERO」のモデル住宅展示場。札幌近郊の南幌町に建設する予定

元々の光熱費が半分ならば、2倍に値上がりしても価格差のショックは2分の1で済みます。断熱等級6、7への対応が既にできているSHS工法は、地球に優しいだけでなく、道民のみなさまの暮らしを守る家づくりを行っています。

この冬、高断熱・高気密住宅が危ない!光熱費の節約NG行動とは?

2023.01.13

室内環境を良好に保ちながら光熱費を節約しましょう

光熱費を節約したいのは当然ですが・・・

ウクライナ情勢の悪化や円安などで、エネルギー価格の高騰が止まりません。それどころか、この冬は電力需給が厳しく、国では暖房需要が増加する3月末まで節電要請を実施中。そのため、消費者が節約行動に走る可能性が非常に高い状況です。しかし、全室24時間暖房・24時間換気を前提とするSHS工法のような高断熱・高気密住宅で誤った節約行動が取られた場合、室内環境の悪化を招く原因になります。そこで、高断熱・高気密住宅の住まい方や注意点、光熱費の節約方法などを改めてまとめました。

光熱費が家計に重くのしかかる

 

光熱費は上がる一方

電気・ガス・灯油の値上げが、一般市民の暮らしを直撃しています。国際的に原油やLNG(液化天然ガス)、石炭などの価格が高騰。エネルギーの輸入依存度が高い日本では、円安が進んでこれらの調達コストが押し上げられたことも、エネルギー価格高騰の一因になっています。

この状況は今後も続きそうで、道内では北海道電力(株)がエネとくプランやeタイム3、ドリーム8などのいわゆる“低圧自由料金プラン”で燃料費調整額の上限を廃止しました。これにより、2022年12月の電力料金は6円9銭/kWhも上昇。たとえばZEHやオール電化住宅などで良く使われる「eタイム3」では、2022年11月に夜10時から朝8時までの夜間時間の電力料金単価は、燃料費調整額、再エネ賦課金を合わせると21円74銭/kWhだったのが、12月には27円83銭/kWhになりました。午後1時~6時の午後時間の場合は、47円78銭/kWhから53円87銭/kWhに。とうとう50円超えです。

電気料金が春から値上げ見込み(NHKwebより)

一方、北海道ガス(株)もガス料金の算定で原料費調整に用いる平均原料価格の上限を廃止しました。さらに、北海道電力ではこの春から家庭向け規制料金(従量電灯Bなど)の値上げを国に申請する見込みです。安い電力料金を求め新電力会社で契約した人の中には、北海道電力以上の大幅値上げや電力会社の倒産・廃業によって困惑している人もいます。

政府は来年1~9月にかけて標準的な家庭で光熱費負担を約45000円軽減する総合経済対策を打ち出しました。これにより、電気料金は7円/kWh補助されますが、値上げ幅をすべて吸収しきれそうにありません。

これ以外にも灯油価格は100円/Lを超えるなど、エネルギー価格の高騰は、家計の負担増として重くのしかかりそうです。

間違った節約行動で結露やヒートショックなどの可能性

節約NG行動で結露や室内環境悪化のリスクが

このようにエネルギー価格が上がり続ける中、消費者が電気やガス、灯油を節約することで家計への負担を減らそうとするのは自然な成り行きです。ただ、高断熱・高気密住宅でやってはいけない節約NG行動があります。

具体的には次のような節約NG行動があります。

1.あまり使わない部屋等の暖房を止める、または設定温度を下げる。

2.夜間に暖房用ボイラーの運転を止める。

3.ポータブルストーブで部分間欠暖房を行う。

4.換気システムを止める、または換気量を減らす。

サーモバルブを0に設定すると暖房が止まってしまうのでNG

高断熱・高気密住宅での暖房は、全室全日(24時間)が原則です。使っていない部屋や居室以外の空間の暖房を止めてしまうと、家の中に温度差が発生し、結露が発生したりヒートショックのリスクが出てきます。また、温水パネル式セントラルヒーティングでは、サーモバルブの設定を「0」にしてしまうと、温水がパネルに循環しなくなるので部屋が温まりません。節約で室温を下げるにしても、設定は「3」くらいにとどめるのが無難です。

サーモバルブの設定は絞っても「3」程度にしておくのが無難です

さらに、節約のため就寝時は暖房用ボイラーの電源を切り、運転を止めてしまうケースもありますが、一度建物が冷えると電源を入れて運転を再開した時に室温が上がるまで時間がかかり、結果的にエネルギー効率の悪い使い方となります。24時間連続運転は止めずに、寝るときにボイラーの温度を少し下げる方が燃料費が安くて快適さも損なわず、お勧めです。

電気ストーブやポータブル石油ストーブは高断熱・高気密住宅ではおすすめしません

このほか、セントラルヒーティングより個別暖房のほうが節約になると考えて、ポータブルストーブやファンヒーターなどを使う人もいますが、気密性が高い住宅で開放型のポータブルストーブなどを使うと、一酸化炭素濃度やVOC濃度の上昇、結露発生などの恐れがあります。また、電気ストーブはエアコンと違ってエネルギー効率がかなり悪いため、節約どころか割高につきます。脱衣室やトイレなど狭く区切られた場所の補助暖房にとどめましょう。

古い電気パネルヒーターや蓄熱暖房機を使っている人なら、寒冷地向け暖冷房エアコンに取り替えるという手もあります。

冬季の換気停止は厳禁

結露や室内空気環境悪化につながるため、24時間換気のスイッチは常にオンにしましょう

換気システムは、ふだんはその効果に気付くことが少なく、24時間ずっと動きっ放しのため、ついつい節約のために運転を止めたくなります。しかし、高断熱・高気密住宅で換気システムの運転を止めてしまうと、結露が起こる可能性が高くなるだけでなく、建材や家具から放散される有害物質(VOC室内濃度)が上昇したり、不快な臭いがこもったりして、健康に悪影響を及ぼすことも考えられます。特にコロナ禍では十分な換気が大切と言われているだけに、冬季の運転停止はNGです。

このほか、給湯機器の使い方も光熱費に大きくかかわってきます。これは節約の余地があります。1.節水型機器を採用する、2.給湯機を節電モードや省エネ・ひかえめ設定、給湯量セレクト(分あたりの給湯量設定)などで使用する、3.数日間家を空ける場合は沸き上げ休止設定を行う―など。

北方型住宅ZEROでは、3割以上の省エネ効果がある

こうした大変な状況でも、北方型住宅ZEROや札幌版次世代住宅基準のスタンダードレベル以上の性能を持った高断熱・高気密住宅では、従来の高断熱住宅に比べてかなり暖房費を節約することができます。建てる時に少々コストアップになったとしても、電気、ガス、灯油の料金単価が上がれば上がるほど、暖房費の安さがはっきりしてきます。これから家を建てるなら、お近くの北海道SHS会の会員工務店にまずはご相談ください。

「こどもみらい住宅支援事業」が「こどもエコすまい支援事業」にパワーアップ

2022.11.26

さあ、サッカーワールドカップが始まりましたね。ドイツを破った日本チームにテレビから熱い声援を送った人も多かったと思います。

このワールドカップが始まる2週間前、日本では11月8日に重要な閣議決定が行われました。国土交通省(国交省)、経済産業省(経産省)、環境省の3省が協力して行う住宅の省エネ化、高断熱化を推進する補助事業です。

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災害に強い家づくり「レジリエンス住宅」

2022.10.05

北海道で自然災害による被害が増加しています。2016年台風10号による大水害や、2018年の北海道胆振東部地震による液状化被害とブラックアウト…。こうした被害リスクを軽減できる「レジリエンス」という新しい考え方で家づくりを行う動きをご紹介します。

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北海道内で熱交換換気の人気が定着!

2022.09.03

日本は、2050年までにカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出を実質ゼロにする)を国際的にも約束しました。目標達成には相当な努力が必要になります。住宅部門では、家庭で使うエネルギー消費を最小限に抑え、その消費するエネルギーを太陽光発電などでまかなう家づくり=ZEH(ネットゼロエネルギー住宅)が必要になります。

エネルギー消費を抑えるには、SHS工法のような高断熱化が最優先ですが、さらに暖房の一次エネルギー消費量の削減効果が見込める第1種熱交換換気が評価され、大手ハウスメーカーへの対抗策として熱交換換気を採用するビルダーが一定数あり、着実な支持を得ています

そこで「熱交換換気って何がいいのか?」と、その選び方をまとめました。

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省エネ・高耐久の住宅に最大100万円補助! 「こどもみらい住宅支援事業」来年3月末まで延長

2022.05.10

昨年12月のブログ

https://hokkaido-shs.jp/news/2473/

でご紹介した、「こどもみらい住宅支援事業」は、子育て世帯の新築住宅取得や住宅リフォームに対して、新築で最大100万円、リフォームで同60万円の補助金を国が出して応援するというもの。

 

こどもみらい住宅支援事業は、5ヵ月延長されることになりました

もともとは今年10月31日(月)までに契約・交付申請を行う必要がありました。しかし、原油高や物価上昇によって高騰している住宅価格への対策として、子育て世帯等の省エネ住宅取得支援を継続的に行う必要があると国が判断。当初予算の542億円に延長分として600億円分を追加し、来年3月31日(金)まで交付申請を5ヵ月延長することとなりました。

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